2020.6.10の記録

東京を離れて長野の山奥で撮影をした。仕事柄いろんなところで仕事をすることが増えてきた。東京に戻ってくるたびになんだかホッとした気持ちになる。やっぱり拠点を田舎に移して活動するのもいいな、なんてたまに考えることもあるけど、なんだかんだこの街に戻ってくると、東京っていい街だよなとしみじみと感じてしまう。東京といっても新宿のことなんだけど。大学受験に失敗して東京進出が叶わなかった学生の頃は、東京へ出るのに必ず新宿を経由していた。アシスタントをしていた時の師匠の事務所も新宿。何かと新宿に行くことが多くて、僕の中の東京のイメージは新宿になる。引越しの時もいかに新宿に出やすいかが必須条件になっている。かといって、新宿の店を知っているわけでもなんでもない。ただなんとなく、あらゆる人を受け入れてくれる街な気がしていて安心できる。歌舞伎町のあの独特な空気感に対して三丁目の品の高さはきっと伊勢丹が作り上げたものだと信じている。伊勢丹でお買い物できるくらい余裕のある生活に憧れつつも、今の僕は中を素通りすることしかできない嫌な客だ。

高架下をくぐって青梅街道を歩けば高円寺にたどり着く。無駄に時間のあった学生の頃は幕張から高円寺までチャリで通ったこともある。MVの撮影で新宿から吉祥寺まで走り続けたこともあって何かと思い出深い通り。厳密にはチャリの荷台に後ろ向きで乗ってカメラ回してただけだけど、しばらくお尻の腫れが引かなかった。そして、甲州街道を下れば1番お金がなかったときに住んでいた家の方面。金がないのにバイクには乗っていて、電車代を浮かすためというよくわからない理由で甲州街道をよく走っていた。電車代が浮いても結局駐輪場に止めるだけで片道切符代くらいはかかるし、ガソリン代のことを考えたらトントンだったかもしれない。なんとなく甲州街道の雰囲気は苦手だ。首都高の高架線のせいかもしれない。高速道路は走る分には気持ちいいし楽なんだけど、下道でゆっくり移動するのが性に合っている。速く移動するためだけの道というか、移動速度だけじゃなくてあらゆることの時間感覚がものすごく早くなっている気がする。朝東京で目が覚めて、昼間は長野の山奥で撮影して、夜はしっかり東京で眠る。昔じゃ考えられないような時間の使い方。

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